ARTIST

2022
@2022 Mifuu Oda
小田望楓 ODA Mifuu
ペインティングナイフによって生み出されるアクリル絵の具の濃淡。抽象表現によって「少女」という象徴的なモチーフを描くことで、神秘性を秘めた小田望楓独特の世界観を確立している。
長らくデジタル領域で創作活動をしてきたという小田がアクリル画に転向したのは大学卒業間近のこと。彼女が魅了されたというアクリル画特有の透明感や、ペインティングナイフによるグラデーション、絵の具を塗り重ねることで生じる陰影や独特なテクスチャーを用いて思春期の少女たちのゆらぎやすい心の機微を繊細に表現している。
小田の作品の大きな魅力のひとつにその色表現がある。音や文字が色として見える「共感覚」を疑似体験するように、鑑賞者は小田の作品から少女というモチーフに込められた純真さや素直さといった極めて美しい人間の心の在り様や傷つきやすさ、子供でもあり大人でもある少女たちの揺れ動く心情を純度の高い柔らかな色彩表現として受け取るだろう。
少女とは幻のようなもので、女性の一生のなかでわずか数年だけの少女時代はいつの間にか始まり、あっという間に過ぎ去っていく。小田望楓の作品は、夢と現実の間をたゆたう少女という稀有な時間の残像をとどめているようだ。(©︎kutsuna miwa)
和歌山生まれ。大阪芸術大学芸術計画学科卒業。
2019年からアーティスト活動を開始。「少女」という象徴的なイメージに、アクリル絵の具の色彩の濃淡とペインティングナイフのタッチや混色による抽象的表現を掛け合わせることで、少女の流動的な心のゆらぎと私自身の色世界を表現している。
近年の個展に、「あまいゆめにおちたら」(カフェギャラリーきのね、2021)、「Mifuu Oda Exhibition」(画人画廊、2021)、 「はじまりの色」(Art Gallery Shirokane 6c、2021)、グループ展に「Itʼs Gonna Be Awesome!!! Part 1」(YOD TOKYO、2022)、「京都×アートプロジェクト」(京と家、2022)、「IF YOU ARE THINKING, WHY」(ARTWHYGALLERY、上海、2021)などがある。